この案件は僕がクリエイターEXPOで出展時にお話を頂きました。
その直後、入院されたということをニュースで聞き、お見舞い品として寄贈させて頂いた作品になります。
1.図面を作成
私は 、CADで図面を書くというより、鉛筆を走らせたり、紙で作りながら創作意欲に任せて
あーでもない、こうでもないとスクラップ&ビルドを繰り返して作る手法をとっております。
そのため、ほぼ1品モノに近いオンリーワンの作品になります。
2.高台を作成
円形カッターで切り取ります。
(今の時代、便利なレーザ加工機が出回ってますが、、
私は切りながら、どうやったら面白いかな~と考えるので、一見無駄な時間も私にとっては大切な時間です。)
大きい円盤で直径30cmあります。
3.外形を製作
初めてご覧になられた方は、「え?なぜ展開図でやらないの?」と
疑問に思われる方がいらっしゃるとおもいますが、
今回は、2つの点からこの積層構造をとることにしました。
・展開図だときれいな円形(多角形になる)ができないため
・どんぶり内部にからくりを仕込みたかったので、強度が必要だったため
です。
ですから積層によって段差になっていることがわかると思います。(1枚の厚さ0.7mm)
このままでも紙の良さが伝わって(茶器みたい?笑)良いのに!
と言われる方もいらっしゃいましたが、今回はあとでヤスリで削ることにしました。
4.内部のからくり
「からくり」の中でポピュラーなモノといえば、リンクやカムを使った機構ではないでしょうか?
皆さんのご存知のクランクシャフトなんかは良い例ですよね!(そう思ってるのは俺だけ?笑)
これを紙で作るのは、結構な剛性が必要となります。
そのため、ここでも積層構造にして、剛性UPを行います。
紙の世界では、軸受けをどうするかが大切になってきます。
ノリで紙をとめただけだと端からモゲてきたりするので、ここではセロテープを使ってとめます。
もちろん回転方向に逆らわないようにとめるようにします。
横に付いてる円盤は、、リンクの動きを滑らかにするためです。
(紙工作は、少しでも何かに引っ掛かって力任せに回すと壊れるため、引っ掛からないように未然防止していると考えて下さい。)
アームをつけました。
これで、左写真の右から突き出ている軸を回すとアームが上下に動きます。
これが何のためかは、後述します。
5.キャラクターの作成
木久扇さんデザインのキャラクタを丁寧に切り取ります。
キャラクタは2Dではありますが、段差をつけることによって(ここでも積層)
キャラクタを少しだけ立体的に見せることができます。
ひとつのキャラクタで30分~1時間 かかっています。。。
(決して自慢ではありません。。見た目によらず大変なのを知って欲しかったんです。。)
どんぶりに貼ったイメージ
外形面をヤスリで削って、絵の具で塗り始めました。
切ったり張ったりして作る時も好きですが、実は色合いを決めて塗るときが一番楽しかったり☆
ただ、紙工作で難しいのは、パレット上の色と塗ってからの色が微妙に変化するので、
自分の欲しい色が出るまでは何度も塗り直しを行うことがあります。
でも、そうしてできた色は、もう二度とできない色合いの輝きを放っていてなんとも言えない満足感に浸ることができます。
とはいうものの、、、今回のどんぶりの色はホワイト一色なので、なんの説得力もなくて申し訳ありません。。
再度、外周面にキャラクタを貼って大きさを確認。
6.からくりのアーム先端作成
先ほどの4で作った、からくりの先にもキャラクタをつけます。
これでからくりを動かすと、ラーメンの具材の中からキャラクタが出たり入ったり
かくれんぼするようになります。
(これは私なりの遊び心です。)
上に具材を乗せると
キャラクタが見え隠れしそうなのがイメージできるでしょうか??
なると、煮たまご、しなちく、ねぎ、のりを乗せた段階
言い忘れておりましたが…
中心にある「なると」は、、回ります!笑
(目を回さないように!笑)
これはカッターではなく、最新のハサミで切ると早かったです。
しかし、、、卍の文字は、、ひとつ5分。。。
やっぱり、、、レーザ加工機が欲しい。。
具材をすべて乗せて完成!!
ラーメンの出前風な箱に梱包
らーめん天狗の武器(お箸)を添えて。
あと、製作過程を記したアルバムを添えて木久扇さんに郵送しましたー!
(製作期間、20日)
コメント